ローヤルゼリーとはちみつは、どちらもミツバチに関連しているので、似たようなものだと考えがちですが、実はこのふたつは栄養、味、使用目的 、効果など全く異なったものです。
それぞれの特徴を具体的に比較してみましょう。
ミツバチは一匹の女王蜂と数万匹の働き蜂からなる社会を構成しています。
ローヤルゼリーは女王蜂だけが食べる「女王蜂専用の食事」といわれています。
ローヤルゼリーは羽化後一週間の働き蜂により作られます。働き蜂が食べた花粉と花の蜜が分解・合成された後、下咽頭腺という部分から分泌されたクリーム状の物質です。
女王蜂は生涯にわたりローヤルゼリーだけを食べ続けます。
一方、はちみつは働き蜂が花の蜜を集め、唾液に含まれる酵素で分解加工し、巣の中に蓄えたものです。はちみつは働き蜂の食料になります。
2-1.ローヤルゼリーの色と味
ローヤルゼリーは薄い黄色がかった乳白色をしています。味は甘くなく独特の酸味とピリッとした刺激があり、匂いも癖があります。
2-2.はちみつの色と味
淡黄色から黒色に近いものまであり、味も色により変わります。一般に色の薄いものは優しい甘みがあり、濃い色になるほど独特の風味が加わり、癖が強くなります。
ローヤルゼリーはたんぱく質、アミノ酸が多く含まれ、ビタミンB群とミネラルも豊富です。
一方、はちみつはポリフェノール、ビタミン、ミネラル、糖類の種類が多く含まれています。
具体的な成分は次のようになります。
3-1.ローヤルゼリーの成分
a. 必須アミノ酸
イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニン、バリン、スレオニン、トリプトファン
b. 非必須アミノ酸
アルギニン、γ—アミノ酪酸、グルタミン酸、チロシン、シスチン、グリシン、アスパラギン、β—アラニン、プロリン、セリン、グルタミン、タウリン、アラニン、オキシプロニン、アスパラギン酸
c. 糖類
グルコース、フルクトース、スクロース、オリゴ糖
d. ビタミン類
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、イノシトール、ナイアシン、アセチルコリン、パントテン酸、ビオチン
e.ミネラル類
カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、マンガン、鉄
f. 特有成分
デセン酸、ビオプテリン
3-2.はちみつの成分
a. 必須アミノ酸
イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニン、バリン
b. 非必須アミノ酸
アルギニン、グルタミン酸、チロシン、グリシン、アラニン、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸
c. 糖類
グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、オリゴ糖、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)、ガラクトース
d. ビタミン類
ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン
e. ミネラル類
ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、マンガン、鉄
f. ポリフェノール
カフェ酸、P-クマル酸、フェルラ酸、ケンフェロール、クリシン、ケルセチン、バニリン酸、P-ヒドロキシ安息香酸、バニリン、シリングアルデヒド、ガランギン
g. 有機酸
グルコン酸
h. 酵素
ジアスターゼ、ホスファターゼ
4-1.ローヤルゼリーの効果、効能
糖尿病や高血圧、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病の改善、癌の予防、更年期障害の改善、メタボリックシンドロームの予防、うつ、自律神経失調症の改善、冷え性、肩こりの改善、免疫力の向上、アンチエイジング効果、美肌効果などがあります。
4-2.はちみつの効果、効能
殺菌効果、疲労回復、口内炎の改善、咳止め、喉の炎症改善、二日酔いの予防と解消、便秘の改善、動脈硬化の予防、美肌効果、ダイエット効果、アンチエイジング効果、高血圧の予防などがあります。
5-1.ローヤルゼリーのカロリー
ローヤルゼリーはサプリメントから摂取する場合、1gあたり約2キロカロリーです。
5-2.はちみつのカロリー
はちみつは100gあたり294キロカロリーです。ちなみに砂糖は同量で384キロカロリーになります。
ローヤルゼリーとはちみつは薬ではないので副作用という概念はありません。ただし、どちらも食品アレルギーや蜂アレルギーのある場合は摂取しないように注意してください。
またローヤルゼリーやはちみつを過剰に摂取すると下痢を起こす可能性があります。
6-1.ローヤルゼリーと薬との飲み合わせは?
ローヤルゼリーはワーファリンという血液凝固阻止剤の薬との飲み合わせがよくありません。
ワーファリン以外の薬、サプリメントを服用している場合も、かかりつけの医師に飲み合わせについて相談してからローヤルゼリーの摂取を決めましょう。
6-2.はちみつは乳児ボツリヌス症に注意
乳児ボツリヌス症を防ぐため、一歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えないように厚生労働省から注意が喚起されています。
ボツリヌス菌は熱に強く加熱しても死滅しないので、はちみつの入った加工食品も与えないようにしましょう。
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